会社の実質支配者(Controller)についての登記義務の制度化
カテゴリ: シンガポールの会社法
作成日:2020年03月27日(金)
会社の実質支配者(Controller)についての登記義務の制度化
シンガポールにおいては2017年3月末から、会社の実質所有者(Controller)および名目取締役(Nominee Director)について、その名簿を作成し登記住所地に備えおくことが求められていました。
この実質所有者および名目取締役については、会社の実質的な支配および運営を行っているかを判断するのに重要な情報である一方で、会社情報として秘匿性があることから、誰でも購入できる登記簿(BizFile)に記載される登記事項ではありませんでした。会社としての義務は、名簿を作成し、カンパニーセクレタリーがそれを維持・管理しておくという制度になっていました。これらの情報のうち、会社の実質所有者については、2020年5月より登記事項となることが定められました。但し、登記事項ではありますが、会社の登記簿には記載されずシンガポールの公的機関による閲覧が可能であるのみで、一般に情報が公開されることはありません。
カンパニーセクレタリーを外部に委託している会社は、新たに登記するためにカンパニーセクレタリーに対して登記を行う権限を付与して、登記しなければなりません。なお、登記事項に変更があった場合には、2営業日以内に変更登記することが求められます。