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シンガポールの2021年度予算が2月16日に発表になりました。

カテゴリ: シンガポールの税制 作成日:2021年03月16日(火)

シンガポールの2021年度予算が2月16日に発表になりました。


 

 

※以下は概要の解説ですが、より詳細な日本語要約をご希望の場合は、弊事務所ホームページ内お問い合わせフォーム(https://sg.px-acc.com/contact.html)より、もしくはメール (このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)にてご連絡下さい。

 

 2020年はコロナとの闘いの年であり、5度にわたる予算で合計1000億シンガポールドルを超える財政出動を行いました。

 GDPは5.4%のマイナス成長、財政赤字はシンガポールの独立以来最大の649億シンガポールドルとなりましたが、財政出動がなかった場合のGDPの成長率推定値であるマイナス12.4%を半減させ、15万人の雇用を守り、また創出してきたと分析されています。

 このような状況の中、シンガポール政府の政策は、広範な支援から、より影響を受けた特定領域への支援へ変換し、競争力の維持、雇用の維持から成長領域における雇用の創出に重点を移してきています。またEmerging Stronger Taskforce(EST)が設置され、コロナによる経済、ビジネス、雇用への影響を分析し、今後シンガポールがどのように危機に対して強くなり、成長力の根源を創出することができるかを検討していく取り組みがなされています。

 

 2021年はコロナ後のEmerging Stronger (新たなる競争力:筆者訳)を目指した取り組みを実施するものの、ワクチン接種の開始のみをもってコロナの早期の終息を見通すことは難しく、保護主義の台頭や世界的な金融緩和の進展によるインフレリスクなど、一国では対応しきれない問題の中、あらゆる可能性に対して準備をしておく必要があるとしています。

 シンガポールは独立以来、いくつもの困難を乗り越えてきており、このかつてない危機の中、より競争力のある強いシンガポールになるため、2021年度予算の概要は以下のようにまとめられています。

 

  • 活力のある経済:人々により良い雇用を、ビジネスにチャンスを。

特定業種へのJSSやJGIの延長、デジタル・トランスフォーメーションへの政府の各種支援、職業訓練の充実などが決定されています。

 

  • 社会的結束:強い社会的つながりとコミュニティ精神

シンガポール人、特に低所得者層への給付金が予算として計上され、寄付金等の所得控除が拡大、延長されています。

 

  • ウェルカミング・ホーム:環境および持続可能性のある世代のために

シンガポール・グリーン計画2030が立ち上げられました。ガソリン税の増税や、電気自動車の導入への支援がこれに関連します。

 

  • 財政および社会のゆとり:継続的な安定性と進歩

前期から多額の財政支出が続く一方で長期的には健全な財政を目指しています。その一環として2023年1月よりGSTの少額輸入品や非デジタルサービスへの適用の拡大が決定されました。2025年までに予定されているGSTの増税も2021年は実施しないもののできるだけ早い増税が示唆され、BEPSによる国際税務のルールの変更の状況に応じて法人税制の変更にも言及されています。

 

 2020年のコロナの感染拡大に素早く対応してきたシンガポール政府ですが、国民と経済を守るために独立以来の最大の財政赤字を計上して対応してきたこと、このような状況がいつまで続くかが見通せないことなどにより、課税ベースの拡大などを余儀なくされる可能性にも触れています。一方で低い税率と明確な法制度によりアジアのビジネスハブとして確立した競争力を維持するため、今後様々な政策を打ち出してくると思われますので、その戦略と戦術に注目すべきでしょう。

 

 今回の税制改正等の主な項目は以下の通りです。

 

【法人所得税】

  1. 法人所得税の税額控除額の非適用
  2. 欠損金及びキャピタル・アローアンスの繰戻還付の拡大の1年延長
  3. 固定資産の2年の加速度償却の選択肢の追加の1年延長
  4. 事業所の改修コストの1年償却の選択肢の追加の1年延長
  5. 国際化コストの二重所得控除の延長と適用範囲の拡大 
  6. 自動化サポート・パッケージの投資控除への統合と2年延長
  7. エネルギー効率化投資控除の拡大と5年延長
  8. 債券発行費用の二重控除の修正および延長
  9. 公的研究機関パートナーシップ関連費用の250%控除の2年延長
  10. NPOへの免税措置の5年延長
  11. 寄付金の250%控除の2年延長

 

【個人所得税】

  1. 税額控除の非適用
  2. 寄付金の250%控除の2年延長

 

【消費税(GST)】

  1. GSTの増税(過年度の改正)
  2. GST対象取引の拡大(少額輸入品および非デジタルサービス)
  3. オンライン広告売上におけるGSTの輸出免税の判断基準の改正

 

【その他の税目】

  1. 金融業における源泉税免除の延長
  2. 電気自動車(EV)の登録免許税リベートの拡大
  3. ガソリン税の増税
  4. ガソリン車への道路税リベートの改正

 

【その他の補助金等】

  1. 特定業種に対する雇用補助金(Jobs Support Scheme)の延長
  2. 雇用成長助成金(Jobs Growth Incentive)の延長
  3. 給与補助金制度(Wage Credit Scheme)の延長
  4. トレイニー支援制度の延長
  5. Sパス雇用枠の縮小
  6. 外国時雇用税(Foreign Worker Levy)の増税の1年延長
  7. デジタル・トランスフォーメーションに対する支援
  8. シンガポール人の低所得者層へのGST助成金
  9. 公団居住のシンガポール人へのGST助成金
  10. シンガポール人への公共共益費助成金(Service/Conservancy Charge Rebate)
  11. シンガポール人への教育費助成金
  12. コミュニティ開発評議会(Community Development Council)助成金

 

 

以 上

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